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Webライターの著作権|記事の権利は誰のもの?引用のルールまで解説

Webライターの著作権|記事の権利は誰のもの?引用のルールまで解説

Webライターの著作権|記事の権利は誰のもの?引用のルールまで解説

Webライターの著作権対策は、2つに絞れます。

まず、他人の著作物は引用の要件を満たして使うこと。

次に、自分が書いた記事の権利がどこへ行くのかを契約書で確認することです。

引用の要件や出所明示を知らないまま転載すると、罰則の対象になりかねません。

一方、譲渡の条項を読み飛ばすと、実績として公開してよいのかも判断できないままです。

Webライターに必要な著作権の基本を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

Webライターが書いた記事の著作権はライターに帰属する

Webライターが書いた記事の著作権はライターに帰属する

記事の著作権は、原則として書いたライター本人のものです。

ただし、契約で譲渡を定めた場合に、権利は発注者へ移ります。

立場記事の著作権の行き先
クラウドソーシング規約や契約の定めごとに異なる
直接契約譲渡条項がなければライター
会社員の職務原則として会社

自分の立場を確かめてから、契約書を読み進めてください。

著作権は記事を書いた時点で自動的に発生する

著作権を得るのに、登録もマルシーマークの表示も必要ありません。

根拠は著作権法第17条2項です。

同条は、権利の享有にいかなる方式の履行も要しないと定めています。

そのため、記事を書き上げた時点であなたが著作者です。

文化庁の登録制度のFAQにも同じ説明があります。

2026年8月時点では、登録は権利発生の要件ではなく、任意の制度という位置づけです。

納品前の下書きだからといって、権利が及ばないわけではありません。

契約で譲渡を定めた場合は発注者に移る

契約書に譲渡条項がある場合は、著作権が発注者へ移ります。

ただし、気をつけたいのは、著作権法第61条2項の推定です。

たとえば、翻案権を定める第27条は、譲渡対象としての特掲が必要になります。

明記がなければ、改変や二次利用の権利は発注者に移らないと推定されるので、条項を確かめてください。

また、著作者人格権は一身専属の権利で、譲渡も相続もできません。

そのかわり、氏名表示権は手元に残るため、クレジットの扱いは交渉できます。

単価だけでなく、権利の行き先も見て契約を結びましょう。

会社の業務として書いた記事は会社のものになる

会社の業務として書いた記事は、書いた本人ではなく会社のものです。

著作権法第15条1項が挙げる要件は4つあります。

法人の発意に基づき、業務に従事する方が職務上作成すること。

そして、法人名義で公表することです。

4つがそろい、勤務規則などに別の定めがなければ、権利は最初から会社に帰属します。

そのため、譲渡という考え方が生じません。

一方、副業として自分の時間に書いた記事は別です。

会社の職務にあたらないため、権利はライター本人に残ります

したがって、会社員の方は、就業規則もあわせて確認してください。

著作権の譲渡で確認しておきたい契約書のポイント

著作権の譲渡で確認しておきたい契約書のポイント

契約書や規約で読むべき著作権の条項は、次の4点です。

  • 譲渡の対象と時期
  • 第27条・第28条の記載
  • 著作者人格権の扱い
  • 譲渡後に自分が使える範囲

署名する前に、4点を順に照らし合わせてください。

譲渡の対象と時期が書かれているかを見る

何をいつ譲渡するのかを、最初に読みます。

対象は納品した原稿だけか、構成案や取材メモも含むのか。いずれにせよ、譲渡の範囲は必ず特定してください。

時期の書き方もあわせて確認しましょう。

具体的には、納品時、検収後、報酬の支払い後では、権利が移る瞬間が違います。

気をつけたいのは、未入金のまま著作権だけが先に移る書き方です。

支払いと権利の移転がずれていないか、時期の記載を読み直しましょう。

第27条と第28条が明記されているかを見る

第27条は翻訳権・翻案権など、第28条は二次的著作物の利用に関する原著作者の権利です。

実は、著作権をすべて譲渡すると書いただけでは、第27条と第28条の権利は移りません。

具体的には、著作権法第61条2項により、特掲がない限り譲渡者に留保されたと推定されます。

そこで実務では、全ての著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)を譲渡するという文言を置くのが一般的です。

その結果、特掲の一文があると、発注者は納品後のリライトや二次利用まで行えます。

反面、記載がなければ、翻案の権利は手元に残ると推定されるので、契約書の文言を確かめてください。

著作者人格権の不行使が定められているかを見る

著作者人格権は、譲渡も相続もできません。

公表権・氏名表示権・同一性保持権は、著作者本人に一身専属します(著作権法第18条〜第20条)。

したがって、契約書では、権利を行使しないと約束する不行使特約の形をとるのが一般的です。

たとえば、記名なしで公開されても氏名表示権を主張しない、という取り決めになります。

注意したいのは、大幅な改変やタイトル変更にも異議を述べにくくなる点です。

署名の前に、不行使の範囲がどこまで及ぶかを読み込んでください。

譲渡すると自分では使えなくなる範囲を知る

譲渡していれば、自分が書いた記事でも自由には使えません。

具体的には、ポートフォリオへの全文掲載も、無断で行えば問題になりえます。

逆に、譲渡していないなら、無断掲載がただちに著作権侵害となるわけではありません。

そこで問われるのは、守秘義務や記名の可否といった契約上の約束です。

実際には、掲載の可否を発注者に確認するのが確実な方法になります。

なお、登録している媒体の利用規約でも著作権の条項を読んでおきましょう。

契約前の確認手順は、Webライターの業務委託契約書で確認したいポイントでも整理しています。

著作権侵害にならない引用の条件

著作権侵害にならない引用の条件

他人の文章を記事に載せられるのは、引用の要件を満たしたときだけです。

著作権法32条と判例が求める条件は、次の4つに整理できます。

  • 公表された著作物から引用する
  • 引用部分と自分の文章を区別する
  • 自分の文章を主、引用を従にする
  • 出典を明示する

1つでも欠けると、適法な引用とは認められません

一つずつ確認していきましょう。

公表された著作物から引用する

引用できるのは、すでに公表された著作物に限られます。

著作権法32条1項が置く、最初の条件です。

たとえば、公式サイトで公開された記事や市販の書籍が対象になります。

一方、取材相手から見せてもらった未公開の資料は使えません。

同様に、解禁前のプレスリリースや社内文書も、引用の対象外と考えてください。

加えて、32条は公正な慣行に合致することも求めています。

報道・批評・研究といった目的に照らし、正当な範囲に収まっているかも確かめましょう。

引用部分と自分の文章を明確に区別する

まず、引用する部分を引用ブロックで囲みます。

判例上、明瞭区別性と呼ばれる条件です。

WordPressの引用ブロックでも、カギカッコでも構いません。

つまり、読み手が境目を一目で判断できる形なら、方法は自由です。

他人の文章を地の文へ溶かし込む書き方には気をつけてください。

語尾だけ変えて自分の文章のように並べると、どこからが他人の表現か判別できません。

その結果、区別がつかない書き方は、引用ではなく無断転載として扱われます。

自分の文章を主、引用を従にする

引用が記事の大半を占める場合、適法な引用とは認められません。

判例は、自分の著作物が主、引用部分が従という関係を求めています。

NG例は、他社の記事を3段落そのまま貼り、感想を2行添えただけの構成です。

自分の主張を先に書き、根拠として1〜2文だけ引くのがOK例になります。

もっとも、見られるのは分量の比率だけではありません。

むしろ、記事の中身が自分の言葉と調査で成り立っているかどうかも、判断の材料になります。

引用を並べただけの記事は、読者にとっての価値も生まれません。

出典を明示する

書き添えるのは、媒体名・記事名・URLが基本です。

著作権法48条1項1号が、32条で引用する際の出所明示を義務づけています。

書籍であれば、著者名と書名、出版社名、掲載ページを添えてください。

注意したいのは、出典さえ書けば何を載せてもよい、という理解は誤りだという点です。

出所明示は、4つある要件の一つにすぎません。

したがって、公表・区別・主従の条件を欠いたまま出典だけ書いても、著作権侵害と判断されます。

出典は免罪符ではなく、ほかの3条件とセットで満たすものと覚えておきましょう。

引用・参照・参考・転載の違いと使い分け

引用・参照・参考・転載の違いと使い分け

引用・参照・参考・転載の違いは、原文をそのまま載せるかどうかと、許諾がいるかどうかで分かれます。

4つの語の関係は、次の表のとおりです。

原文をそのまま使うか許諾の要否表記例
引用そのまま載せる不要(著作権法第32条の要件を満たす場合)「〜」(出典:文化庁ウェブサイト)
参照載せない(場所を示す)不要詳しくは著作権法第32条を参照
参考自分の言葉に書き直す不要参考:文化庁ウェブサイト
転載丸ごと使う必要(権利者の許諾)〇〇社の許諾を得て転載

納品前に迷いやすい表記のしかたも含めて、1つずつ確認していきましょう。

引用は原文をそのまま載せる

引用とは、他人の文章を原文のまま載せる使い方です。

適法と認められるには、著作権法第32条の要件を満たさなければなりません。

引用部分と自分の文章を明確に区別してください。

かぎカッコや引用ブロックで囲むと、見た目でも区別がつきます。

さらに、自分の文章が主で引用が従という関係も必要です。

加えて、引用したら出所を明示する義務があります(著作権法第48条1項1号)。

表記例は、引用文をかぎカッコで囲む形です。

そのうえで、直後に「出典:文化庁ウェブサイト」と添えましょう。

参照は該当箇所を示すだけにとどめる

参照では、原文を載せません。

そのかわり、読者に該当箇所の場所を伝え、原文は本人に見に行ってもらう使い方になります。

そこで、条文番号や記事名まで特定して書きましょう。

表記例は、「詳しくは著作権法第32条を参照」といった一文です。

とはいえ、参照と書きながら本文を丸ごと写せば、実態は引用か転載になります。

言葉を選び直しても、第32条の要件と出所明示の義務からは逃れられません

参考は自分の言葉で書き直す

資料を読んだうえで、内容を自分の言葉に書き直す使い方が参考です。

この場合、原文の表現を借りていないので、引用の要件は問題になりません。

もっとも、数字や事実の出どころは読者に示しておきましょう。

実際には、語尾を変えただけで元の構成をなぞった文章も見かけます。

そこまで似ていれば、参考とは呼びにくい書き方です。

表記例は、記事末に「参考:文化庁ウェブサイト」と並べる形になります。

転載は権利者の許諾が必要になる

転載は、権利者の許諾がなければできません。

というのも、記事や画像を丸ごと使う利用は、第32条の引用の範囲を超えた使い方だからです。

そのため、無断で全文を写すと著作権侵害になります

許諾を取るときは、使う範囲と掲載先、期間をメールで残しておきましょう。

表記例は、記事の冒頭か末尾に「〇〇社の許諾を得て転載」と書く形です。

他サイトの記事を丸ごと使うよう発注者から頼まれることもあります。

その場合は、許諾を取ったかどうかを先に確認してください。

画像やSNS投稿を使うときの注意点

画像やSNS投稿を使うときの注意点

画像やSNSの投稿も、著作権法で守られた著作物です。

文章と同じように無断で使うと、権利侵害になりかねません。

素材ごとの利用条件を確かめてください。

そのうえで、提供元が用意した公式の仕組みを使うのが原則です。

フリー素材はライセンスの条件を確認する

フリー素材は、何にでも自由に使える素材ではありません。

サイトごとに利用規約は異なります。

分かれるのは、商用利用の可否・クレジット表記の要否・改変の可否の3点です。

クリエイティブ・コモンズにも複数の種類があります。

表示や改変禁止といった条件は、クリエイティブ・コモンズ・ジャパンの解説ページで確認してください。

改変禁止の素材にロゴや文字を重ねると、条件違反になります。

反面、クライアントの媒体が広告を載せる場合、個人利用に限った素材は使えません。

いずれにせよ、迷ったときは、規約のページを保存したうえで納品しましょう。

SNSの投稿は公式の埋め込み機能を使う

SNSの投稿を紹介するときは、各社が用意した埋め込み機能を使います。

投稿の文章や写真は、投稿した方の著作物です。

その結果、画面をコピーして貼るやり方では、無断複製と受け取られかねません。

埋め込みなら、投稿者の名前と元投稿へのリンクが表示されます。

2026年8月時点では、手順がXのヘルプInstagramのヘルプで公開されているので、貼る前に確認してください。

なお、投稿者が非公開設定に切り替えると、埋め込みは表示されなくなる場合があります。

掲載の可否が気になる案件では、クライアントへ相談しましょう。

スクリーンショットは引用の条件を満たすか確認する

スクリーンショットを載せる場合は、引用の条件を満たすかどうかで判断します。

判断の物差しは、公表・明瞭区別性・主従関係・出所明示の4つです。

画面を丸ごと並べ、短いコメントを添えるだけの構成にしないでください。

なぜなら、自分の文章が主で、引用部分が従という関係が崩れるからです。

結果として、無断転載と判断されるおそれが生じかねません。

さらに、引用元のサービス名やページ名も書き添えてください。

なお、ゲーム画面やアプリの操作画面は、各社の規約で扱いが定められている場合もあります。

掲載前に、提供元のガイドラインを一度確かめましょう。

著作権を侵害するとどうなる?

著作権を侵害するとどうなる?

著作権の侵害で起きることは、刑事罰・損害賠償・記事の削除・取引の停止の4つです。

もっとも、ライターが実際に受ける打撃は、刑事罰よりも仕事を失うことにあります。

はじめに、罰則の重さから確認してください。

刑事罰が科される可能性がある

著作権侵害の法定刑は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金です。

しかも、著作権法第119条には、懲役と罰金の併科も定められています。

著作者人格権の侵害なら、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金です。

加えて、法人の業務として侵害が行われた場合は、行為者本人の処罰だけでは終わりません。

第124条1項により、法人にも最大3億円以下の罰金が科されます。

数字の重さを見れば、無断転載が刑事罰の対象になる行為だと分かるでしょう。

引用の要件を満たさない転載は、第119条が想定する行為に当たります。

記事の削除や損害賠償を求められる

問題が表面化するのは、記事が公開されたあとです。

権利者からメディアへ連絡が入り、該当記事の削除や修正を求められます。

さらに、損害賠償を請求される場合もあるでしょう。

この場合、賠償額はケースごとに異なるので、相場をあてにしないでください。

引き金になりやすいのは、出所を示さずに他サイトの文章や画像を載せた箇所です。

しかも、修正の手間はライター側にも及び、無償で書き直す事態になりかねません。

対応は執筆者ひとりでは終わらず、編集部を巻き込む作業になります。

出所の明示を欠いた転載は、削除だけでは済まない場合があると考えておきましょう。

クライアントとの取引を失う

ライターにとって最も痛いのは、継続案件を失うことです。

権利処理の甘い原稿を一度出すと、クライアントの点検は過去の納品分にまで及びます。

点検の手間を負ってまで発注を続ける理由は、なかなか見つかりません。

実際には、指摘のあった記事だけで話が終わらないところに難しさがあります。

しかも、契約書に第三者の権利を侵害しない旨の条項があれば、契約違反にも問われかねません。

守るべきことは2つに絞れます。

他人の著作物は、引用の要件と出所の明示を満たして使ってください。

そのうえで、自分が書いた記事の権利がどこへ行くのかを契約書で確認する習慣をつけましょう。

まとめ:契約の確認と引用の条件を押さえる

まとめ:契約の確認と引用の条件を押さえる

Webライターの著作権対策は、契約の確認と引用の条件の2つに集約されます。

まず、記事の著作権は、原則として書いたライター本人のものです。

次に、譲渡の範囲は契約書の文言ごとに変わります。

第27条・第28条の特掲がなければ、翻案権はライター側に留保されたと推定されるので、契約書を確かめてください。

引用は、出典を示すだけでは足りません。

明瞭区別性と主従関係もそろえてください。

最後に、いま受注している案件の契約書や利用規約を開いてみましょう。

著作権の条項がどう書かれているか、今日のうちに確認してみてください。

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