Webライターの執筆スピードを決めるのは、才能ではありません。
鍵は、リサーチから執筆までの工程をどう設計するかにあります。
執筆に時間がかかるほど、時給は上がりにくいままです。
しかも改善の起点を誤ると、執筆スピードは上がりません。
まず、自分がどの工程で時間を使っているかを書き出してみましょう。
効果が大きい順に改善方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。
結論:執筆スピードを上げる方法と効果の大きさ【一覧表】

執筆スピードを上げる方法は、効果が大きい順に決まっています。
工程設計・入力速度・作業環境の3つです。
3つの効果の大きさと、向いている人・コストを一覧にまとめました。
| 方法 | 効果 | 向いている人 | コスト |
|---|---|---|---|
| 工程設計 | 大 | 迷いや手戻りが多い人 | 低 |
| 入力速度 | 中 | タイピングが遅い人 | 低 |
| 作業環境 | 小〜中 | 集中が続かない人 | 中 |
工程設計が最も効くのは、書く前の迷いと手戻りを消せる点です。
自分がどこで時間を失っているかを見極めれば、最短で速くなれます。まず工程設計から見直しましょう。
執筆スピードの目安と「遅いかどうか」の判断基準

執筆スピードが遅いかどうかは、1時間あたりの文字数で判断できます。
したがって目安を下回る場合は、工程のどこかに時間のロスがある証拠です。
原因を決めつけて手を付けないよう、注意してください。
いずれにせよ、目安を知ることが改善の出発点になります。
1時間・1日あたりの文字数の目安
1時間あたり1,000〜2,000文字程度が、執筆スピードの一つの目安です。
| 区分 | 目安 |
|---|---|
| 1時間あたり | 1,000〜2,000文字程度 |
| 1日あたり(実働時間により変動) | 5,000〜10,000文字程度 |
ただし、数値には大きな幅があります。
執筆環境やジャンル、リサーチや推敲を含めるかどうかで動く数字です。
したがって絶対的な基準ではありません。
なお執筆スピードが上がるほど、時給換算の収入は高くなります。
詳しい計算方法は、関連記事で確認してください。
自分の平均文字数を一度計測してみると、現状を把握しやすくなります。
目安を下回る人が見直すべきポイント
目安を下回る場合は、執筆のどこで時間がかかっているかを確認しましょう。
たとえば、書きはじめる前の準備に時間をかけすぎていないか点検してください。
遅れの原因は、工程・入力・環境のどれかに必ず当てはまります。
- 執筆工程の設計(構成作成→執筆→推敲の流れ)
- 入力速度(タイピングや音声入力の活用)
- 作業環境(ディスプレイやツールの整備)
入力速度と作業環境の改善も、たしかに有効です。
一方で最も効果が大きいのは、工程の設計を見直すことになります。
改善の順序に迷ったら、影響範囲が大きい工程から取りかかりましょう。
つまり自分の遅い工程を特定することが、スピード改善の近道になります。
【効果大】執筆工程を見直してスピードを上げる方法

最も効くのは、リサーチと執筆の作業を分け、構成を先に固めてから書き始めることです。
見直す先は、次の5つになります。
・リサーチと執筆を分ける
・構成を先に固めてから書く
・リサーチは時間を区切る
・書き切ってから推敲する
・見出しごとに区切って書く
続いて、それぞれの手順を確認しましょう。
リサーチと執筆を分ける
リサーチと執筆は、同時に進めないでください。
情報を探す思考と文章を組み立てる思考が入れ替わり、集中が途切れます。
しかも調べ物を挟むたびに、文脈を思い出す手間が生じる点も見逃せません。
その結果、体感の作業時間が延びていきます。
工程を分けるには、次の手順を実践しましょう。
- 記事に必要な情報を先にすべて集める
- 集めた情報を箇条書きでメモにまとめる
- メモを見ながら執筆だけに集中する
情報を先に集めてメモへ整理しておくことが、執筆中の中断を防ぐポイントです。
そのうえ切り分けてしまえば、迷う時間が減り書く速度も安定します。
構成を先に固めてから書く
本文を書く前に固めるべきものは、見出し構成です。
構成が固まらないまま書き始めてはいけません。
見出しの順番や内容を後から入れ替える手戻りが発生し、時間を浪費します。
そのうえ見出しごとに書く内容の役割を決めておけば、本文の方向性はぶれません。
つまり先に骨組みを決めておくことが、迷いなく書き進めるコツです。
構成の作り方は、見出しの立て方を解説した記事で確認できます。
加えて、書き直しの手間も減らせるでしょう。
リサーチは時間を区切る
リサーチに終わりはありません。
だからこそ、あらかじめ制限時間を設けてください。
区切りをつけないと関連情報を次々に追ってしまい、着手が遅れます。
代表例は25分の作業と5分の休憩を繰り返すポモドーロ・テクニックです。
- タイマーで25分など決まった時間を設定する
- 時間が来たらリサーチをいったん打ち切る
- 4セット終えたら15〜30分ほど休憩する
ライターの間では、リサーチに充てる時間の割合が語られることもあります。
もっとも経験則であり、公的な統計に基づくものではありません。
書き切ってから推敲する
まず最後まで書き切り、推敲はそのあとにまとめて行いましょう。
一文ごとに直していると、思考のペースが崩れ、執筆全体の速度が落ちる原因です。
しかも誤字や言い回しの修正まで気にすると、文章を作る勢いが止まります。
推敲を後回しにする手順は、次のとおりです。
- 誤字脱字や言い回しの修正はいったん保留する
- 最後の見出しまで書き切る
- 全体を通して読み直し、まとめて修正する
その結果、書く工程と直す工程が分かれ、余計な手戻りを防げるでしょう。
見出しごとに区切って書く
執筆の単位を記事全体にすると、着地点を見失いやすくなります。
だから見出し単位で区切って進めてください。
見出しごとの目的をはっきりさせておくことが、途中で筆が止まらないコツです。
そのため区切って書くときは、次の手順を意識しましょう。
- 1つの見出しで書く内容をあらかじめ決める
- その見出しを書き終えたら区切りをつける
- 次の見出しに移る前に一区切り置く
小さな区切りの積み重ねが、集中を保つコツです。
ツールと入力速度でスピードを上げる方法

入力やツールを工夫すれば、手数を大きく減らして執筆スピードを底上げできます。
たとえば、次の5つの方法が有効です。
- 辞書登録で入力を減らす
- ショートカットキーを覚える
- 音声入力で口述する
- タイピングを練習する
- AI・検索演算子でリサーチを短縮する
続いて、それぞれの方法を確認しましょう。
辞書登録で入力を減らす
最も手軽に効くのは、IMEの単語登録機能です。
頻出する言葉やフレーズを登録しておくと、入力の手数を大幅に減らせます。
毎回同じ文章を一から打ち込む必要はありません。
たとえば記事末に入れる定型の挨拶文を登録できます。
同じく頻繁に使う専門用語や屋号も、短い読みで呼び出せる対象です。
最初の設定には、やや手間がかかる点に注意してください。
とはいえ一度登録すれば、ずっと時間を節約できます。
執筆を始める前に済ませておきましょう。
ショートカットキーを覚える
マウスに手を伸ばす回数が多い場合は、時間の損が積み上がる状態です。
基本操作をキーボードに置き換えれば、マウス操作にかかる手間を省けます。
Wordの一覧は、Microsoftのキーボードショートカットで確認してください。
加えてキーボードから手を離さずに済む点も、執筆のリズムを保つ利点です。
さらにWordPressやGoogleドキュメントにも、独自の割り当てがあります。
見出し設定や太字を一瞬で切り替えられるので、あわせて覚えてください。
もちろん一度に全部を覚える必要はありません。
よく使う操作から順に習慣にしましょう。
音声入力で口述する
音声入力とは、文章を声に出して原稿にする機能のことです。
うまく使えば、タイピングよりも速く原稿を作成できる場合もあるでしょう。
Googleドキュメントには、音声入力機能が用意されています。
なお利用できるのは、最新版のChrome・Edge・Safariです。
さらに日本語を含む150以上の言語に対応しています。
起動のショートカットキーは、OSごとに異なる点に注意してください。
Windowsは「Ctrl+Shift+S」、Macは「Command+Shift+S」です。
実は2016年に、スタンフォード大学が実験を行いました。
英語でのスマートフォンへの音声入力は、タイピングより約3倍速いという結果です。
ただし、音声認識では誤変換も起こります。
いずれにせよ口述した後は、必ず文章を見直しましょう。
タイピングを練習する
タイピングの速度そのものを底上げすると、ほかの工夫も効いてきます。
そのため正確に速く打てれば、辞書登録やショートカットの効果も伸びるでしょう。
オンラインの練習サイトを使い、日常的に積み重ねてください。
なお練習方法や上達のコツは、こちらの記事で解説しています。
AI・検索演算子でリサーチを短縮する
リサーチ時間は、検索演算子やAIツールをうまく使うことで大きく短縮できます。
有効なのは、次のような検索演算子の組み合わせです。
| 演算子 | 使い方 | 効果 |
|---|---|---|
| site: | site:ドメイン名 キーワード | 特定サイト内を検索 |
| "" | "完全一致フレーズ" | フレーズ単位で一致するページのみ表示 |
| – | キーワード -除外語 | 特定の語を含むページを除外 |
| before:/after: | before:2024-01-01 | 期間を指定して検索 |
| filetype: | filetype:pdf | 特定のファイル形式に絞り込み |
そのうえでAIに下書きを作らせるなら、出力は一次情報で裏取りしてください。
ちなみにAIを使ったライティングの活用方法は、こちらの記事で解説しています。
集中と作業環境を整えてスピードを上げる方法

効くのは、作業時間を区切ること、視界に入る情報を減らすこと、環境そのものを見直すことです。
時間・画面・場所の3つの視点で対策すれば、手が止まる回数は減ります。
続いて、それぞれの具体的な方法を確認しましょう。
ポモドーロで作業を区切る
集中が切れて手が止まる場合は、作業時間そのものを区切ってください。
有効な手法として知られるのが、ポモドーロ・テクニックになります。
1980年代に、イタリアのフランチェスコ・シリロが考案した手法です。
25分間の作業と5分間の休憩を1セットとします。
4回繰り返した後は、15〜30分の長い休憩を取ってください。
そうすれば「あと少しだけ書く」という意識が生まれます。
集中が切れる前に手を止めやすくなる点も利点です。
同様に、休憩中は画面から離れておくと集中が戻りやすくなります。
工程設計や入力速度の改善ほど、効果は大きくありません。
とはいえ集中が切れやすい方は、試してみましょう。
デュアルモニターで参照と執筆を並行する
参考資料を見ながら書くと、画面の切り替えだけで時間が溶けます。
そのため、デュアルモニターの導入が有効な対策です。
2017年に、米調査会社ジョン・ペディ・リサーチが1000人超を対象に調査を行いました。
回答したのは、複数ディスプレイを使う情報ワーカーやデザイナーです。
最大42%の生産性向上を自己申告したという結果になります。
ただし自己申告ベースの調査なので、数値の解釈には留意してください。
その結果、画面を切り替える動作が減って入力がなめらかになります。
ノートパソコンでも、外部モニターを1台つなげば導入は可能です。
対応するケーブルやポートを、事前に確認しておきましょう。
通知オフ・場所替えで中断を減らす
中断を減らす手立ては、通知を止めることと作業場所を変えることです。
通知は視界に入るだけで意識がそれ、文章の続きを思い出すまでに時間がかかります。
はじめに、スマートフォンを別の部屋へ置いてみてください。
執筆中は、通知をオフにしましょう。
加えてカフェや別の部屋へ移動すると、気分を切り替えやすくなります。
工程設計や入力速度の改善に比べると、効果は限定的です。
もっとも集中が切れやすい方は、取り入れてみてください。
スピードを上げても質を落とさないための注意点

質を落とさない鍵は、推敲の工程化と事実の裏取りです。
一方、執筆スピードを優先すると誤字脱字や数字・固有名詞の誤りが増えます。
防ぐには執筆と推敲の工程を分け、書き終えた後に時間を置いて見直してください。
実は執筆した日ではなく翌日に読み返すと、誤りに気づきやすくなります。
数字や固有名詞は、公式サイトなど一次情報で裏取りしてから記載しましょう。
いずれにせよ継続案件を任される信頼は、質を守り続けた実績で築かれます。