WebライターがPREP法を当てはめる単位は、記事全体ではなく見出し1つ分です。
使う箇所を絞り、理由と具体例を自然につなげて書けば、「結論が後ろ」「具体例が浮いている」という指摘は減っていきます。
反対に記事全体をPREP法で組み立てようとすると、同じ型が何度も並び、かえって不自然な原稿になりがちです。
どの見出しで使い、どこで使わないのかという見極め方まで解説しているので、ぜひ参考にしてください。
PREP法は見出しごとに使う

PREP法は、記事1本にまるごとかぶせる型ではありません。
見出し1つ分の本文を1セットとして扱い、見出しの数だけ繰り返して使います。
見出しが増えれば、その数だけPREPを繰り返す形です。
Toastmasters Internationalも、PREPを短いスピーチや即興の整理に向く型として挙げています。
長い原稿を通しで組み立てるための型ではない、と押さえておいてください。
書き方の手順に入る前に、1見出し=1PREPという単位だけ決めておきましょう。
PREP法を使う箇所と使わない箇所

PREP法を使うのは見出し直下の解説文で、リード文や手順の説明には使いません。
PREP法とは、結論を先に置き、理由と具体例で支えてからもう一度結論に戻る型のことです。
原稿全体に敷き詰める型ではなく、部位ごとに向き不向きがあります。
| 原稿の部位 | PREP法を使うか | 代わりに使う型 |
|---|---|---|
| 見出し直下の解説文 | 使う | なし |
| リード文 | 使わない | 結論→メリット→行動喚起 |
| 手順の説明 | 使わない | 番号付きの手順書き |
| 体験談・共感パート | 使わない | 時系列+最後に教訓 |
| 報告や全体像の説明 | 使わない | SDS法(要点→詳細→要点) |
自分の原稿のどの部位を直すべきか、順に確認していきましょう。
見出し直下の解説文には使う
見出しを読んだ読者は、その答えを1文目で探しています。
PREP法が効くのは、問いと答えの関係がはっきりしている解説文です。
「Webライターに資格は必要か」という見出しなら、不要だと言い切ってから理由を述べ、実際の案件例を添えて、もう一度結論に戻る流れが成立します。
使い分けの目安は、見出しの問いに1文で答えられるかどうかという一点です。
1文で答えが出ない見出しは、別の型に切り替えてください。
リード文には使わない
リード文にPREP法は使いません。
200字ほどで結論を出し、読み進めるメリットを示して本文へ送り出すのがリード文の役割になります。
理由と具体例まで詰め込むと入り口が重くなり、読者が答えにたどり着く前に離脱されがちです。
PREP法は簡潔な結論提示を前提とする構成で、長い文章や感情を軸にした文章には向かないと解説されています。
結論→メリットやリスク→行動喚起の並びで組み立ててください。
手順を説明する箇所には使わない
手順は、番号を振って上から順に書きます。
読者が探しているのは説得の材料ではなく、次に何をするかという情報です。
「案件を探す→提案文を送る→執筆する」と続く流れの途中に理由と具体例を挟むと、作業の手が止まってしまいます。
全体像を先に見せたい場合の選択肢は、要点→詳細→要点の順に置くSDS法です。
番号付きリストで並べ、手順の途中に理由と具体例を挟まないようにしてください。
体験談や共感パートには使わない
体験談と共感パートは、PREP法の適用外です。
前述のとおり、PREP法は感情や共感を軸にしたストーリーテリングには向きません。
案件で受けた修正指示を振り返る箇所で結論から入ると、読者が場面を思い浮かべる前に要約が届き、体験の輪郭がぼやけます。
時系列で状況を描いてから、読者が持ち帰る教訓は最後にひとこと添える形が読みやすいです。
共感パートも同じで、結論を先に置かず、読者の状況を描写してから本題へ入ってください。
見出し1つをPREP法で書く手順

見出し1つをPREP法で書く手順は、結論・理由・具体例・再結論の4つを順に置くだけです。
文量の目安は、結論1文、理由1〜2文、具体例2〜4文、再結論1文になります。
4つのうちどこで崩れやすいのかを、順に確認しましょう。
結論は見出しへの回答を1文で書く
見出しを疑問文に直して、その答えをそのまま1文目に置きます。
見出しが問いの形になっていないときは、頭の中で「〜とは」「〜はどうやるか」に置き換えてから答えを書きましょう。
NG例は「PREP法は、Webライティングでよく話題になります」。
OK例は「PREP法とは、結論・理由・具体例・結論の順に並べる構成の型です」。
書き出しで迷うなら、見出しの語をそのまま主語にして書き始めると答えからずれません。
前置きや背景を先に入れると、読者は答えを探して読み直すことになるので、結論は1文で切ってください。
理由はなぜならで1つに絞る
理由は複数並べません。
結論のあとに頭の中で「なぜなら」を置いてみて、続く言葉が1つに決まらないなら、結論の範囲が広すぎます。
NG例は「読みやすくなり、書く速度も上がり、修正依頼も減ります」。
OK例は「読み手が1文目で答えを受け取れるので、途中で離れにくくなります」。
理由を3つ並べると、どれが結論を支えているのか読み手に伝わりません。
原稿では「なぜなら〜だからです」とそのまま書かず、事実やリスクの形で織り込むと、型が透けずに読めます。
理由の分量は1〜2文で足ります。
具体例は理由を裏づける事実を選ぶ
判定基準は1つです。
その具体例を消したときに、理由が疑わしくなるかで判断します。
消しても理由が成り立つ例は、裏づけではなく話題の追加です。
OK例は、結論を先に書いた原稿と後ろに書いた原稿を並べ、答えにたどり着くまでの行数を比べて見せる形です。
NG例は「PREP法はスピーチの場面でも使われている」という紹介で、直前の理由の裏づけになっていません。
具体例は2〜4文が目安になるので、自分が書いた原稿や受けた修正指示など、読者が場面を思い浮かべられる材料を選んでください。
最後の結論は言い換えて締める
最後の結論とは、1文目の答えを、読者が次に取る行動の形へ言い直した1文です。
同じ文をそのまま貼り直すと、読み手は先へ進んだ感覚を失います。
NG例は、1文目の「PREP法とは、結論・理由・具体例・結論の順に並べる構成の型です」をもう一度置く書き方。
OK例は「見出しを立てたら、答えの1文から書き始めてください」。
再結論で新しい情報を足すと次の見出しと内容が重なるので、足すのは行動への一押しだけにとどめます。
4つの並べ方が身についたか確かめたいときは、PREP法の練習方法をまとめた記事も読んでみましょう。
PREP法の例文と書き換えのポイント

PREP法の形は、例文を1本読むのが早いです。
解説系とレビュー系の2つを、同じ順番で並べました。
書き換え前との違いを見比べながら、自分の担当ジャンルに近いほうから確認してみてください。
解説する見出しの例文
手順や考え方を説明する見出しでは、結論の一文がそのまま見出しの答えです。
見出しを「原稿は提出前に音読する」とした場合、本文は次の形になります。
結論:原稿は、提出前に声に出して読み返すと直しが早く終わります。理由:黙読では、書いた本人の頭が抜けた助詞や重複を勝手に補ってしまいます。具体例:「〜という理由から」が一文に二度出るような重複も、口に出すと途中で引っかかるものです。再結論:提出前の数分を音読にあてれば、基本的なミスは自分で拾えます。
4行がそれぞれ独立しているので、話がそれても戻る場所が分かります。
書いたあとは、理由と具体例が同じ話をなぞっているかを確かめてください。
商品を紹介する見出しの例文
商品やサービスを紹介する見出しは、読者が買うかどうかを決めたい場面で読まれます。
見出しを「文字起こしツールは必要か」とした場合、組み立ては次のとおりです。
結論:文字起こしツールは、取材案件を受ける方ほど導入する価値があります。理由:手作業の書き起こしは、再生と停止を繰り返すぶん時間がかさみます。具体例:インタビュー記事を月に何本も受けている方なら、その時間を構成づくりに回せるでしょう。再結論:取材を継続して受ける予定があるなら、早い段階で試しておくのも手です。
解説系との違いは、具体例に読者の使い方を置いている点です。
書き手の感想ではなく、読者の作業がどう変わるかを入れると、最後の結論が押し付けがましくなりません。
書き換え前と後で変わった点
書き換えで変わったのは、順番と分量の2点だけです。
元の原稿は、業界の背景やツールの説明から入り、答えが最後まで出てきませんでした。
手を入れた箇所は次の3つになります。
- 結論を1文目に動かした
- 理由を1つに絞った
- 具体例を理由と同じ話でそろえた
どれも書き足す作業ではなく、順番を入れ替えて余分を削る作業です。
書き換えたのに長くなったと感じたら、理由を2つ以上並べていないか見直しましょう。
例文を自分の原稿に写すときの注意
例文の言い回しは、そのまま写しても使えません。
案件ごとに語尾や一人称、読者への呼びかけ方が決まっているので、例文の言葉づかいを丸ごと持ち込むとトンマナから外れます。
借りるのは、結論を先に置き、理由と具体例を同じ話でそろえるという骨格だけにしてください。
レギュレーションに構成の指定がない案件でも骨格自体は問題になりにくいものの、表現は必ず既存記事に合わせて書き直します。
PREP法がうまく書けない原因と直し方

読みにくいと言われる原因は、PREP法の順序そのものではなく、理由と具体例のつながり方にあります。
結論の重ね方や見出しとのずれも、修正依頼の原因です。
指摘されやすい順に、4つの原因と直し方を確認しましょう。
具体例が理由の裏づけになっていない
納品した原稿に「例が理由と噛み合っていない」と指摘が入ることがあります。
よくあるのは、理由で「専門用語が多いと離脱される」と書いたのに、例が「見出しを整えたら読了率が伸びた」にすり替わっている形です。
別の話が混ざると、理由が裏づけられないまま結論だけが残ります。
直すときは、理由を「一言で言うと」と「詳しく言うと」の2段に割ってから、例をつないでください。
「一言で言うと、用語が多いと読者は離脱します」「詳しく言うと、初出の語に説明がないと意味を追えません」と2段に分けておきます。
そのうえで、用語の解説を足した記事の変化を例として置けば、理由と例が1本の線でつながるでしょう。
理由を2つ以上入れて論点がぼける
理由を2つ以上入れた場合は、どの理由が軸なのか読者に伝わらなくなります。
「修正が減る」「納期に余裕が出る」「単価交渉がしやすい」と3つ挙げた原稿では、後ろの具体例が1つ目にしか対応していない状態です。
残りの2つは、裏づけのないまま置かれます。
見出し1つにつき理由は1つにしぼり、ほかは別の見出しへ回すか削ってください。
「修正が減る」だけを残して、指示の量が半分になった場面を書けば、理由と例がきれいにそろいます。
最後の結論が最初の丸写しになる
締めのPointは、冒頭の一文をそのまま繰り返す場所ではありません。
冒頭で「PREP法は見出し単位で使う」と書き、締めにも同じ文を置くと、読者は同じ場所を二度読んだ感覚になります。
締めは、理由と具体例を通ったあとの、一段進んだ言い方に変えてください。
「見出し1つ分と決めておけば、理由と例を1組でそろえられる」のように行動へ寄せると、重複の指摘は消えます。
同じ語をなぞるのではなく、読者が次に何をすればよいかまで進めるのがコツです。
結論が見出しの答えになっていない
4つ目の原因は、1文目の結論が見出しの答えになっていないことです。
「PREP法のメリット」という見出しなのに、1文目で型の説明から入ってしまう原稿が該当します。
読者にとっては、知りたい答えが後ろへずれた状態です。
「PREP法のメリットは、修正指示が減ることです」と言い切ってから理由へ進めば、見出しと本文がかみ合います。
書き終えたら見出しを疑問文に置き換えて、1文目がその問いへの答えになっているか確かめてください。
PREP法以外の型も覚えるべき?

答えは、覚えておくべきです。PREP法が合わない箇所は、SDS法や時系列で書いたほうが読者に伝わります。
報告や要約はSDS法、作業手順は時系列、そして案件のルールが最優先。使い分けの目安を確認しましょう。
報告や要約にはSDS法が向く
SDS法とは、Summary(要点)→Details(詳細)→Summary(要点)の順に組み立てる型のことです。
PREP法が結論に重心を置くのに対し、SDS法は真ん中の詳細に重点がある構成だと説明されています(SDS法とPREP法の違い)。
使い分けの目安はシンプルです。相手を説得して行動させたい場面はPREP法、分かりやすく報告して全体像を伝えたい場面はSDS法とされます(PREP法とSDS法の使い分け)。
サービスの概要紹介や、調査結果を整理して伝える見出しはSDS法の出番です。
構成の詳しい組み立て方は、SDS法の書き方をまとめた記事で確認してください。
手順の説明は時系列で書く
手順を説明する見出しは、上から順に作業の流れをなぞって書きます。
PREP法は簡潔な結論提示を前提とした構成なので、長文や体験談のような読ませ方には向かないと、前述のデメリット解説で指摘されています。
登録手順や設定方法を無理に結論から始めると、読者は文中に散らばった作業を自分で並べ直さなければなりません。
番号付きリストで1から順に並べ、各項目に注意点や所要時間を添えてください。
案件のレギュレーションを優先する
型より優先されるのは、クライアントの構成指定です。
レギュレーションに「見出しの1文目は要約にする」「結論は最後にまとめる」といった指示があれば、指定どおりに書きます。
PREP法できれいに整えた原稿でも、構成指定と違えば修正依頼が届きます。
マニュアルに構成の記載がない場合は、掲載中の既存記事を2〜3本読み、書き出しの型をそろえておくと安全でしょう。
執筆前にレギュレーションを一度通して読み、型の指定があるかどうかを確認してください。
型を使い分けると文章が自然になる
同じ記事の中で、見出しごとに型が変わっていても問題ありません。
説得したい見出しはPREP法、状況を報告する見出しはSDS法、作業を伝える見出しは時系列。
交渉やブレインストーミングのように、相手の反応を見ながら話を進める場面では、前述の解説のとおりPREP法は使いにくいとされています。
取材やクライアントとのやり取りでも、同じです。
記事全体を1つの型で塗りつぶすと、どの見出しも同じ調子になって読み飛ばされやすくなります。
見出しの役割を先に決めてから型を当てる、という順番で書き進めてみてください。
PREP法は記事全体ではなく、見出し1つ分の型
PREP法は、記事全体をおおう型ではなく、見出し1つ分を組み立てる型です。
体験談や手順の説明のように、当てはめないほうが読みやすくなる箇所もあります。
指摘を受ける原稿の多くは、理由と具体例が別々のことを語っていて、結論とつながらないまま終わっています。
直す順番は、結論の言い切り、理由、具体例の3つだけです。
今日書いた原稿を開いて、見出し1つ分だけPREPで組み直してみてください。